受賞者発表!
たくさんのご応募、ありがとうございました。
2023年夏、時事学作文コンテストにご応募くださたったみなさん、そして団体応募に参加くださった各学校の先生方、本当にありがとうございます。
昨年の第1回から考えますと、本当にたくさんのご応募を頂きました。
応募総数542作、じっくり読ませて頂きました。
本当にありがとうございます。
多くのみなさんから、素敵なアイディアを頂き、アイディアとして実現させたい、と思うものも多数ありました。
総評
小学生から高校生までが応募できる、それも時事(新聞記事)から未来への提案を求めるコンテストとして、昨年は最優秀を出すことができませんでした。
今回も、最優秀にはかなり悩みました。
今回、500作以上の中から、しっかりした文章に、しっかりした提案といえたのが70作。
多くが、意見表明や批判にとどまってしまったことは残念です。
応募作品の傾向としては、
・面白いアイディアではあるが、説明が足りない
・説明や論証はよいが、アイディアはどこかで聞いたことがあるものだ
・強い思いがあるが、説明が足りず、アイディアの形が見えにくい
の3つに大別されたと感じています。
電車の乗り降りやエレベータ移動など、ちょっとした手助けを求められるコミュニティアプリを作ってはどうか?というアイディアなど、本当に素晴らしかったのですが、論拠になる部分や説明が足りず、伝わり切らなかった代表例です。
一方で、闘病する子ども達に、家族の温かみを少しでも、というところでのVR空間でのコミュニケーションなどは、なぜこのアイディアに至ったのか、という経緯など素晴らしく説明されていましたが、具体的にどんな形になるのか、本当にできそうか、などの部分で説明が不足していました。
マイナンバーカードの認知と信頼をあげるためのもう一つの認証手段を設ける、というアイディアでは、現状がしっかり分析され、説得力があった一方で、なぜそれが必要なのか?には今一つ納得がいく説明はありませんでした。
みなさんが生きる時代は、
・今決まっているものを、いかに新しい時代にあわせて変えていけるか?
・今はないものを、新しい時代に向けて作っていけるか?
・今はあるけれど、いらなくなったものを、辞められるか?
などが問われる時代になると思います。
ぜひ普段から、みなさんなりの視点で「これをこう変えればもっとよくなる!」というアイディアを考える習慣をお持ちください。
そしてもちろん、そのアイディアをどう説明するか、とても大切な部分です。
どんなに良いアイディアでも、わかりやすく、納得がいくよう説明しなければ相手には伝わりません。
わかりやすい説明とはどんなものなのか?にも常に気を遣ってみて頂ければと思います。
採点基準
100点満点で採点 ★ アイディア点 30(5人の審査員の採点の平均で得点決定) 基本10 よい20 すごくよい30 ※よい→ 思いつかない 突飛 理想的 実現可能性 ★ 文章点 30 マイナス採点 1個 -3点 ★ 構成・展開点 10 3段落もしくはわかりやすい構成 論理的整合性があっていれば5 あとは加点 ★ 理由点 5+10 結論に対する理由があれば5点 あと加点(深まり、考えた跡) ★ 具体性点 5+10 具体的であれば5点 あと加点(具体性、体験に近い書き方)
<審査の経緯>
今回まずは、応募作を応募要件に合っているか、文章として読めるものであるか、そしてその次に、提案があるか、とみていきました。
要件にあわないもの、文字数が多すぎる、段落分けが適切になされていない、などがかなり多くあったのは残念な結果でした。そして、文章として読みにくいもの、字があまりに雑なものも一定数あったことも、当初の審査作業では悩ましく、残念でした。
意見や批評だけでなく、今後に向けての提案までしっかりあったものは70作程度です。
この70作について、以下のように採点していきました。
アイディア点30点、文章点30点、構成点10点、理由の説得力15点、具体性15点、合計100点満点。
アイディア点では アイディアの新しさ、実現性で点数をつけさせていただきました。
文章点では、誤字脱字、文末表現の統一、1文における主述の関係や1文の長さ、言葉使い、を中心にマイナス採点しています。文章点だけが唯一、マイナス採点しているものです。
構成点では、基本構成が要件通りであること、そしてそこに論理展開がしっかりあっていることで点をつけています。
理由の説得力では、アイディアを出したにあたり、しっかりと説得力のある理由が書かれているか、を見ています。
具体性では、理由に対する具体例や自分の経験など理由を補強する具体的な話の有無を見ています。適切な具体例があることで、説得力がかなり補強されるものです。
こうして点数をつけていった結果、今回は80点以上になった作品が11作ありました。
これを改めて、外部の審査員の方に読んで頂き、最優秀1作、優秀5作を決めさせていただきました。
<入賞作について>
入賞された作品、いや最後に残させて頂いた11作品はどれも、文章の読みやすさ、まとまりとしてはとてもしっかりしたものでした。
そこから、入賞を選んだ基準は、アイディアの差、構成や展開での説得力の差、ということになります。
。
例えば、基礎となる理由にどこまで説得力を感じられるか。では、体験などの具体性と共に、数値等で客観的な論拠がある作品はやはり強かったと思います。
最後は、アイディアを考えるに至る思い、これが強く語られていたのが有馬さんの作品だったと思います。
入賞されたみなさん、おめでとうございます。
そして、ありがとうございます。
【外部審査員】
小林さま、中村さま、ご協力ありがとうございます。
厳正な審査の結果、以下の方々が入賞されました。おめでとうございます。
最優秀賞 1名 <副賞Amazonギフト 10,000円>
「治療だけじゃない、病気の子どもと共に闘う家族に必要なこと」 有馬こはるさん(14歳)
優秀賞 5名 <副賞Amazonギフト 3,000円> (50音順)
「観光がもたらす悪影響」 小川結可さん(15歳) 十文字高等学校
「新たな日韓交流のやり方」 五味愛琳さん(15歳)
「『ついで投票』で投票率上昇へ」 高野凛さん(15歳) 十文字高等学校
「誰一人お腹を空かせない世界へ」 髙林 航さん(14歳)
「認証方法を多様に」 中村結穂さん(13歳)
今回は、選に漏れてしまった方のアイディア、文章もそれぞれ素晴らしいものがありました。
世界を変えるアイディアが1つでも実現近づき、世界が私たちみんなにとって住みやすく、そして幸せな場所になりますように。
応募くださったみなさん
本当にありがとうございました!
次回の開催時にはまた、時事学上でご案内します。次回の開催をお楽しみに!
時事学事務局添削担当 坂本聰
©世界が身近になる新聞トレーニング 時事学 事務局